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症状を追いかけない③(漢方)

  • 執筆者の写真: 省三 遠野
    省三 遠野
  • 2016年5月17日
  • 読了時間: 2分

これも10年以上前の話です。知人が2ヶ月以上ずっと咳き込んでいたのですが、気になりながらも放置していました。 というのは、かなり年上の方で本人も漢方に詳しい方でしたし、お金に厳しい方でしたので節約のつもりで我慢しているのだろうと思って、アドバイスするのは気が引けたのです。 ある時、漢方薬メーカーさんがご挨拶に来られて、「新商品の漢方のど飴」の紹介に来られていました。 すると「ちょうど、2ヶ月くらい咳が止まらなくて困っていたんですよ。有難うございます」 え?我慢しているんじゃないのか? と初めて気がつきました。 私「Fさん、その咳、肝臓の薬と胃薬で治りますよ、多分」 Fさん「え?ホントですか!」 私「ケチってると思ってました」 Fさん「そんな…もっと早く教えて下さいよ」 私「ついでに禁酒!」 Fさん「ゲッ!」 具体的な処方内容は、間違えて使われたら困るので控えますが、簡単に言うと「肝炎の特効薬」と「ストレス性胃炎や逆流性食道炎の薬」です。 肝臓が飲酒が原因で腫れているので、横隔膜を上方に突き上げています。ですから呼吸をする度に横隔膜が斜めに運動するので、胃の入り口が開いて胃液が逆流しているんじゃないかと思ったからです。 これは、難経という古書にヒントが書かれていました。 「呼気は肺と心の気によって行われ、吸気は肝と腎の気によって行われる」 だったかな?? 最初この文章を読んでも何のことか分かりませんでしたが、解剖学的に判断すると「横隔膜を挟んで上にある臓器に問題があると、呼気に問題が出て、下の臓器に問題があると吸気に問題が出る」と言いたかったんでしょうか? とにかく、2~3日で症状が改善したらしく、しかも身体がものすごく軽くなったと喜んでくれました。

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